いちじくの食べ方

地方によっては、よそでは考えられないような独特の文化があります。
私自身、いちじくの食べ方を通じて、その違いを強く感じた経験があります。

私の出身地である山形では、いちじくを甘く煮詰めて甘露煮にして食べます。
デザートとして食卓に並ぶことはなく、おかずの一品として出されていた記憶があります。
他の食べ方は見たことがありませんでした。

そのため、関西に来て、いちじくがフルーツとして生で出されたときには、本当に驚きました。
そもそも生で食べられることを知らなかったのです。

山形の食べ方を伝えたとき、関西の人たちも驚いていました。
甘露煮にして食べる、おかずとしての位置づけが新鮮だったようです。

今では笑い話ですが、当時は「その食べ方はちょっと無理」とお互いに否定し合ったのを覚えています。

もうすぐ年度末から新年度に移り変わる季節です。
引っ越しや転校が最も多い時期になります。
全く転校生や転入生がいない学校もあれば、多くの新しい子どもたちがやって来る学校もあるでしょう。
最近では、外国人のお子さんが通う学校も増えています。

そのような状況で気にかかるのが『文化の差』です。
先ほどのいちじくの話のように、どちらが正解で、どちらが間違いというわけではなく、ただ「そういう文化」なのです。

しかし、この違いが認められないと、疎外感を感じたり、いじめの原因になったりすることがあります。

食文化だけでなく、方言のようにわかりやすいものや、乗り物の使い方(電車が主流か車が主流か)、服装(よく長靴を履く地域とそうでない地域)、遊び方(外遊びが主体か、ゲームなどの室内遊びが主体か)など、さまざまな違いがあります。

これから転出する子どもたち、あるいは転入する子どもたちには、「元気でね」という言葉とともに、こうした文化の違いがあることを教えてあげるといいのではないでしょうか。
少しでも新しい環境になじみやすくなるよう、支援できるかもしれません。

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