宿題や忘れ物、叱るだけでいい?忘れたときの対応を教えよう

【質問】
いつも宿題や持ち物を忘れる子がいます。叱るのですが、そんなに効果も感じられず。どうしたらきちんとやるようになるのでしょうか?(20代男性講師)

【回答】
宿題をやりなさいと言ったら必ずやらせなければいけませんか?
持ち物を持ってきなさいと言ったら、必ず持って来させなければいけませんか?

大人でも、仕事の期限を守れなかったり、忘れ物をすることはあります。
そのときに大切なのは「反省したふりをすること」や「責められること」ではなく、『忘れたときの対応』をどうするかです。

先生が叱ったり、怒鳴ったり、長時間のお説教をしたりして、忘れ物や宿題忘れがなくなるなら、その指導方法は効果的かもしれません。
でも、多くの場合、それではなくなりません。

・家庭環境に原因があるのかもしれません。
・本人の特性に関係があるのかもしれません。
・そもそも宿題の内容に課題があるのかもしれません。

これをもう少し具体的に考えてみましょう。

・毎日塾や習い事で夜遅くまで時間が取れない場合
→宿題を出すこと自体が適切でないのかもしれません。

・発達特性があり、学校でも授業に集中しづらい場合
→家庭では魅力的なゲームや動画などの誘惑も多く、家庭学習が難しい可能性があります。

・宿題の難易度が高すぎる場合
→本人が手も足も出ず、実際には保護者が宿題をしてしまっているケースも考えられます。

このような状況なら、宿題の指導そのものを変えることで解決できるかもしれません。
・保護者と相談して、宿題をなしにする。
・家ではなく、帰りの時間や翌朝に宿題をする。
・宿題の難易度を調整する。

こうすれば、「宿題を忘れたことを叱る」必要すらなくなります。

忘れ物についても同じです。
忘れてしまったときに「貸してください」「ありがとう」と言えることのほうが大切です。
そうした言葉や対応のレパートリーを増やすほうが、その子にとっては社会に出たときに役立つスキルになるでしょう。

子どもたちに「なんで忘れたの?」と問い詰めても、答えられないことがほとんどです。
「なんで?」から始まるお説教タイムよりも、できることはたくさんあります。

叱ることも一つの方法。
でも、それ以外にも試せることはたくさんあります。
ぜひ、いろいろなアプローチを考えてみてください!

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