わかっているのに、心が追いつかない時に読む話

変化って、こわいですよね。
「慣れるまでは大変」
「時間が解決してくれる」
「誰にでもあること」
そう言われれば、きっとその通り。

でも、わかっているのに、心が追いついてくれないことがあります。

たとえば異動。
たとえば新しい職場、初めての役職。
たとえば子どもたちや保護者との距離感。

「そんなの慣れれば大丈夫」と頭ではわかっていても、身体や気持ちは、別のところにいるような感覚になることがあります。
今回はそんな話です。

【先生も、変化の真っ只中にいる】
先日、初めて行政職になった先生から相談を受けました。
「現場で子どもと向き合いたくて先生になったのに、
 今はその子どもたちの姿が、日常にないんです」

異動で行政に行くことになり、人の前で話すよりも、資料と向き合う日々。

その先生は、「こんなはずじゃなかった」という思いと、「でも、それを言ってはいけない空気」との間で、苦しんでいました。

これ、私も経験があるのですが、マジでしんどいです…

先生は、異動の希望が通りにくい仕事です。多くの場合、指示された場所へ、ただ動くしかありません。

そういう仕組みだと分かっていても。
むしろ分かっているからこそ、言えない思いが心の中に積もっていくのだと思います。

【がんばっている自分に気づいてあげてほしい】
子どもたちの前では、いつものように笑っていても、
帰り道、なぜか涙が出そうになったりする。
ちょっとした言葉が、思いのほか突き刺さる。

それは、弱いからじゃない。

変化に向き合って、ちゃんと頑張っているからです。
まだ慣れていないだけなのに、「早く慣れなきゃ」と焦ってしまう。
それだけで、心はすり減っていきます。

無理しないって、むずかしいです。
でも、「無理してるかもしれない自分」に、気づいてあげてほしいなと思います。

【子どもたちも、毎日が変化です】
変化に疲れているとき、ふと見える子どもの姿が、いつもよりリアルに感じられることがあります。

急に落ち着きがなくなった子
いつもより元気がない子
プリントを忘れてしまった子

「なんでできないんだろう」じゃなくて、「この子も、今きっと変化の途中なんだな」と思えた時、
先生の声かけも、まなざしも、少しやさしく変わるかもしれません。

子どもたちは、新しいことを『毎日』学んでいます。
だから毎日が変化です。
変わるって、実はすごく疲れること。

それを知っている先生だからこそ、子どもたちの気持ちにも、寄り添えるんだと思います。

「分かっているのに、心が追いつかない」
そんな感覚に飲み込まれてしまいそうな時は、立ち止まるタイミングかもしれません。

変化を受け入れようとしている、でも、まだ気持ちがついていけてない。それだけで、もう十分がんばっている。

そんなことをお答えしながら相談をお受けしていました。

この記事を書いた人