恵方巻はいつから?広がり方と食品ロス

節分が近づくと、恵方巻の話題が出ます。
でも「いつから始まったの?」と聞かれると、意外と一言で答えにくい行事です。
理由はシンプルで、恵方巻は「昔から全国で同じ形で続いてきた行事」というより、地域の風習や説があって、それが広がった行事だからです。
農林水産省も恵方巻について「起源には諸説ある」と整理しています。
このページでは、その年の歳神(年神)さまがいる方向で、干支によって決まる。
その方向を向き、願い事を思い浮かべながら、無言で太巻きを食べるのが恵方巻。
そしてこの風習は、正月に行われていた「恵方参り」が形を変え、節分のしきたりとして復活したものだ、とされています。
また、「どう広がったか」です。
農林水産省の説明では、恵方巻には「江戸時代末期から明治時代初期に大阪の商人が商売繁盛の祈願のために始めた」という説がある一方で、長く忘れられていた、と書かれています。
そして再び注目されたのは、昭和52年(1977年)に大阪の海苔問屋組合が行ったキャンペーンだそうです。
その後、海苔の販売促進とコンビニチェーンの宣伝戦略によって全国的に広がった、という流れです。
「昔からの行事」には違いないけれど、全国に広がった背景には、当時の社会の仕組みや売り方も関わっている。
行事って、文化だけで残るというより、暮らしの中で広がり方が決まるんだなと感じます。
そして、もう一つ、今の恵方巻で外せないのが食品ロスの問題です。
節分の時期になると、売れ残りのニュースが出ることもあります。
農林水産省は、来年の節分に向けて「恵方巻きのロス削減に取り組む食品小売事業者の募集」を行い、予約購入の呼びかけや需要予測の工夫、ハーフサイズの拡充など、具体的な取り組み例も示しています。
https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/251223.html
(農林水産省 報道発表「2026年の恵方巻きロス削減に取り組む事業者の募集を開始!」)
昔は「縁起物だから」と一言で済んだことも、今は暮らしの条件が違います。
家族の人数も違う。
食べられる量も違う。
そもそも忙しさが違う。
だからこそ、恵方巻も今の暮らしに合う形でやるのが自然だと思います。
農林水産省のページにも、「一気に食べ切るのは大変なので無理せず、食べやすい方法で」とありますし、恵方巻の大きさと縁起の良さは関係がないので、食べ切れる大きさにして食品ロスを出さない心がけが大切だ、という書き方になっています。
このあたりは、子どもに話すときにも使いやすいです。
「縁起は大事。だけど残さない工夫も大事。」
昔の行事を今に合わせる、ちょうどいい説明になります。
恵方巻は、起源が一つに決まっていないからこそ、語り方に幅があります。
地域の風習があって、キャンペーンで再注目されて、流通の力で全国に広がった。
そして今は、食品ロスの課題とも一緒に扱われている。
行事が生き物みたいに、時代と一緒に形を変えているのが面白いところです。
今年の節分、恵方巻を食べるなら、食べ切れる量で。
家族に合うサイズで。
それでも十分に「縁起」と「季節」を味わえると思います。
