放デイ立ち上げ相談。最初は「家庭の理解」

先週末、対面で相談を受けました。
その方とは何度か電話やLINEでやり取りをしているのですが「決める」段階に入ると、やはり対面が大切だなと思います。
言葉の量より、間とか沈黙とか、そういうところに本音が出るからです。
相談者は、学校の先生でした。
退職して、心機一転、放デイを立ち上げたい。
でも、話の中心は制度でも物件でもなく、もっと手前でした。
「決めきれないことが一番問題だっていうのは分かってるんです。それでも、動けないんです。」
いつ現職を辞めて、変わるのか。
大学を卒業してから、その道一筋の方にはよくある部分です。
そこで、具体的にしていきました。
こうした話は、最初にやることリストの話です。
人員配置。
利用者。
お金。
申請。
場所。
やることは山ほどある。
だから、リスト自体を渡すこともあります。
でも、リストがあるだけでは進まない場面もあります。
どれもが大事で、優先がつけられないためです。
優先がつけられないから、スタートが決められない。
決められないから、全部が薄く不安のまま残る。
その状態が続くと、真面目な方ほど消耗していきます。
先週末の相談も、まさにその形でした。
話している最中に、ふっと沈黙が落ちる瞬間があります。
こちらが何か言ったから止まった、というより、本人の中で一度考えが止まった感じです。
「分かってるのに動けない」って、こういう沈黙なんだと思います。
そこでこちらから順番を決めていきました。
やることを増やさない。
むしろ減らす。
順番をつける。
そのために、最初に決めたのは事務的なことではありません。
「家庭の理解」です。
「物件も人も大事です。」
「でも、その前に、家の中でやると決まってますか?」
「ここが曖昧だと、どれを進めても途中で止まります。」
そう伝えました。
立ち上げは、外側の準備が目立ちます。
場所を探す。
申請の段取りを組む。
採用を考える。
資金計画を立てる。
でも、経営者側の足が止まるのは、案外ここです。
「家族は本当に理解してくれているのか」
「生活が回るのか」
「責任が重くなったときに支えがあるのか」
この部分が不安なままだと、最後の決断だけができなくなる。
だから最初に、家庭の理解を確認事項にしました。
感情論ではなく、議題として置く。
「いつ、誰に、どこまで話すか」
「反対が出た場合、何を材料に説明するか」
「最終的に、背中を押してくれる人は誰か」
ここが決まると、不思議と次が動きます。
逆にここが決まらないと、物件を見ても、採用の話をしても、どこかで止まります。
その上で、ようやくリストに戻ります。
人員配置。
利用者。
お金。
制度。
全部を同時に抱えるのではなく、順番をつけて、一つずつ。
経営者は忙しいです。
現場のこと。
お金のこと。
利用者のこと。
それぞれを考えないといけない。
全部やりながら、「決める」もやらないといけない。
そりゃ疲れます。
だからこそ、気合いではなく、順番で進めるしかないと思っています。
相談の最後に、また少し沈黙がありました。
ただ、最初の沈黙とは違いました。
止まっている沈黙ではなく、整理している沈黙です。
「やることは変わらないのに、進め方が見えた気がします」
そんな空気になっていました。
放デイの立ち上げって、派手な決断に見えることがあります。
でも実際は、決めきれない状態を、決められる形に整える仕事の連続です。
その一つ目が、家庭の理解。
先週末の相談は、改めてそれを思い出させてくれました。
