増加する不登校とひきこもりの現状

2つのデータがあります。

【1. 小中学生の不登校率(約3.6%)】
• 対象: 小中学校に在籍する全児童生徒(約950万人)
• 不登校の定義: 年間30日以上欠席した児童生徒
• 割合: 約3.6%(約34万6千人)
• 出典: 文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
• リンク: 文部科学省 – 不登校に関する調査結果
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422178_00005.htm

【2. 15歳から39歳のひきこもり率(約2%)】
• 対象: 全国の15歳から39歳までの人口(約4300万人)
• ひきこもりの定義: 6カ月以上にわたり、家庭に引きこもって社会参加をしていない状態
• 割合: 約2%(約86万人)
• 出典: 内閣府「生活状況に関する調査」(2023年実施)
• リンク: 内閣府 – ひきこもりに関する調査結果
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12927443/www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/r04/pdf-index.html

【現場の先生だからこそ、こうした数値の把握を】
この2つのデータを個別に見たり、比較すると、いくつかのことが見えてきます。
① 3.6%ということは、30人学級であれば1人の不登校児童生徒がいる計算となる。
② 不登校の定義は年間30日以上欠席、ひきこもりは6カ月以上の社会参加なし。定義の違いが数値の差に影響している可能性がある。
③ 小中学生の調査は文部科学省が行い、それ以上の年齢層は内閣府が調査している。小中学生は教育の問題、それ以上の年齢層は社会的課題として扱われている。

【学校だけでなく地域全体で解決する道を】
学校現場では、目の前にいる児童生徒に全力で対応しています。
その子が学校や学びの場に通うことができるように、また社会との関わりを持てるよう支援しています。
しかし、学校だけでは解決が難しい場合も少なくありません。自治体、福祉、医療など、多機関との連携が必要です。

こうした連携により、不登校が解消するケースもあれば、逆に15歳以降にひきこもりに発展するケースもあります。
例えば、15歳の2%という数値を考えると、小中学校で兆候が全くなく、突然ひきこもりになるケースは稀です。
兆候がある場合、それを教育現場だけで対応しきれない場合もあるのです。

【社会全体で連携する仕組みづくり】
「学校が悪い」「家庭が悪い」「医療が悪い」という声を耳にすることがありますが、問題の本質はもっと複雑です。
それぞれの機関が協力し合いながら、一歩ずつ解決に向けて進む必要があります。

現状維持をしながら、少しでも前に進む努力を重ねている関係者がたくさんいます。
私自身も、こうした数値を見るたびにその必要性を痛感しています。

【それぞれの忙しさの解消が課題解決の方法の一つ】
先生だけではなく、どの機関の方と話していても必ず出てくるのが「忙しい」という言葉です。
本音でお話しできる各関係機関の方たちが口を揃えておっしゃいます。
仕事の様子をお伺いしていると、多忙という言葉を突き抜けている方も少なくありません。
朝早くから、夜遅くまで、休日・祝日関係なし、その上残業代が出ていないケースも決して少なくありません。

そこまでして、なぜやるのか。
目の前にいる方達にできることを精一杯しようという気持ちが大きいからです。
しかし、それに頼り切ってきた流れはもう限界を超えています。

どうしていくのか。
弊社の先生GPTはその解決方法の一つとしてのご提案でした。
それ以外にも、人員や予算の増加、専門的なAIの解決、オンラインの積極的活用、と方法は様々あります。
どれがどの程度できるのか。
これは簡単ではありませんが、目を離してはいけないことなのかな、と感じています。

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