「なくて七癖」をなくせるか

ある先生と話していた時の内容です。

「研究授業で、ちょっと自分の動画を見ていたら、嫌気がさしてすぐやめてしまいました」
「何が嫌だったんですか?」
「びっくりするほどの瞬きをしていて見ているのが恥ずかしくなりました」

こうしたクセの話。
誰にだってあります。
首をひねる。
貧乏ゆすりをする。
「えー」「あー」という言葉を入れる。

こういう行動は目につくと、ずっと目や耳がとられてしまいます。
子どもたちが集中力を落とす原因の一つです。
特別支援を要するお子さんにとっては結構大きいことです。

私自身もありました。
私の場合は「手を振る」です。
手が遮断機のようにずっと動いている。
でも、ずっと自分自身で気がついていませんでした。
気が付いたのは、それこそ大卒後、初めての研究授業で自分の動きを見た時。
「これ誰?」と思うくらい、見ていられませんでした。

「そんな時、どうしたんですか?」
と聞かれました。
先輩から聞いて、ずっとしてきたことを説明しました。
『子どもたちの前で宣言をして、指摘をしてもらう』です。

「越智先生、ずっと手を振っちゃうんだよね。
 あんまり良くない動きだから直したいなぁと思ってるんだけど、
 自分でも気がついてない時があるからもししてたら教えてもらえたらうれしいな」

こうやって説明をしたときの子どもたちの反応は「いつもしてる」でした。
やっぱりそうなのかーと思う間もなく、すごい指摘の数。
始めの頃は、1時間の授業で授業よりも長いくらい指摘を受けていました。
お願いしたのに「もう言うの止めて!」となるくらいです。

結局、そのクセがある程度修正されるのに3週間程度かかりました。

で、終わりかと思ったら、そうじゃなかったです。
最近は直ってきたなと思い、それを給食の時に話題にしていたら、
「そういや、先生って何か言うときに『はい』って言ってから始めるよね」
と一人の子がいいます。
「あー、全部そう」
と他の子も…

次から次に、そういうものが出てきます。
結局、クラスは変わりながらも20代前半の数年はそんなことをしていました。

そんな観点でテレビやYouTubeのようなメディアを見ていていると、スゴイと思う方がいます。
クセが抜けた状態での話や立居振舞いができる方たちです。
そういった方は不思議と話が面白い。
動きもクセというよりは個性として見えます。

で、今の私。
そういった変な動きのクセは抜けたのかなーと時々講座や講演の動画を見てみます。
ほんのちょっとですけど。
「あー、気をつけないとな」
と今でも思います。

クセを個性にする。
なかなか奥深いです。

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