【質問】年度末の指導要録にめちゃくちゃ時間がかかります。早く始めればよいとわかっていても、毎年3月28日くらいに始めて、よくて3月30日、正直に言うと4月に入ってから仕上げた年もあります。どうしたら早く終わりますか?(40代女性)
【回答】毎年のように年度末にいただく質問です。これは習慣と関連しています。初任者の時に「そうやって周りの人がしていた」ために習慣化して、それがご自身の普通になっています。
私もそうでした。
変えようと思ったら、その習慣から違う行動をする必要があります。この変化には大きなエネルギーが必要です。
そこで「何を変えたら早くなるかという行動」と「エネルギーの生み出し方」の二つから、私が教えてもらった方法をお伝えします。
♪何を変えたら早くなるかという行動♪
「ついで」を意識されるとよいです。
二学期の終わりに出す通知表の所見や成績、出欠のデータを、要録に「ついでに」転記しておく。これをしておくと、年度末に行う作業が三か月分のみになります。データの場所や記載内容を覚えている状態なので、年度末にすべてを仕切り直すより何倍も早く進みます。
もう一つは、余剰時間の使い方です。忙しいとはいえ、実際には使える時間がいくらかあります。私が要録作成の時間として活用していたのは、次の二つです。
一つ目は、放課後に会議がない日。
二つ目は、学級閉鎖になった時。
以前は、余った時間として何となく過ごしていましたが、意識するようになってからは、要録のような提出必須の書類の作成時間に充てるようになりました。
♪エネルギーの生み出し方♪
最終的には、一人でスムーズに作業できるようになりましたが、そこまでに私は三回(3年)かかりました。
習慣を変えるのは本当にしんどかったです。
今回紹介した方法を教えてくれた先生が「一緒にやるか?」と声をかけてくれて、それがスタート。それでも、始めは「バタバタしてるんで」と断っていました。でも、少し一緒に作業を進めるうちに、これはいいかもしれないと考え、進めるようになりました。
初めの年は、年度末の作業が数日早く終わる程度でしたが、その数日がとても大きく感じました。すごく楽になったので、二年目は、同じ学年の先生を誘って一緒に進めました。「そろそろやろう!」みたいな感じです。
声をかけると「まだやらなくていい」「なんで今?」といった反応がありましたが、実際に始めると効果を実感してもらえることが多かったです。
通知表の簡略化が進んできたことで、指導要録作成のスタートタイミングはいろいろ考えられます。
いずれの場合にしても、何かのついでに、誰かと一緒に始めることが、習慣を変える一歩なのかな、と思います。