4月から京都府立向陽高等学校で、高校2年生を対象にした総合的な探求の時間『起業家になろう』の授業を行っています。
おそらく日本で初めての試みです。
というのも、この授業では単に事業アイデアを考えるだけではなく、それを企業とコラボして実際に製品化・サービス化するということをしました。
しかも、です。
売れたら、その利益を企業だけでなく、開発した高校生や学校も享受できる仕組みになっています。
この授業は生徒の立候補によって行われています。
他の授業を選択することもできる中で、『起業家になろう』を選んだ生徒たちは、アイデアが面白いものばかりで、実行力もありました。
2月も中旬、いよいよ授業も終盤です。
そこで今回は「経営者に聞いてみたいことQ&A」企画を実施。
私(ゼロから株式会社を立ち上げた社長)と事業承継で会社を引き継いだ社長の2人で、生徒の質問に回答しました。
いくつか紹介します。
【質問1】税金は何%ですか?
これは秀逸な質問でした。
「いくらもらっていますか?」はよくあるのですが、税金を聞くのは視点がうますぎます。
日本は「累進課税」で、所得に応じて税率が変わります。
私も、もう1人の社長も苦笑いしてごまかしました。
【質問2】経営者に必要な資質は?
もう1人の社長は「全体を見る力」と答えていたような…。
私は「恥をかくことを怖がらないこと」と答えました。
自分自身の「当たり前」や、今まで築いてきたプライドは、他者から見ればそれほど価値があるものではないこともあります。
それよりも大事なのは、人から喜んでもらうことや、失敗した時に頭を下げられること。
とはいえ、スムーズにできるかというと、なかなか難しいのですが…。
【質問3】どんな人を雇いたいですか?
シンプルに回答しました。
「失敗を過剰に怖がらない人」
【質問4】1000万円を集めるにはどうしたらいいですか?
これは事業アイディアを考えた生徒からの質問でした。
スタートアップに1000万円が必要なので、どうやって集めるかという内容でした。
回答は、2人とも共通していました。
1つは、銀行や企業、家族から借りるにしても、「論理的に」かつ「熱量を持って」伝えることができるか。
2つ目は、自分自身が努力をしているか。
高校生であれば、大きな資金を持っていないのは当然です。
それでも、お小遣いやお年玉を貯めたり、アルバイトをして少しでも1000万円に近づく努力をしているかどうか。
それが評価につながる、という話をしました。
【質問5】お金持ちになって良かったことは?
これには2人とも爆笑!
「金持ちじゃないぞ!」
「やばいくらいの金持ちがいるから!」
こんな感じでお茶を濁そうとしたのですが、生徒たちはなかなか逃してくれませんでした…( ; ; )
他にも興味深い質問をたくさんいただきました。
事業アイディアを出し、実行までできる高校生はなかなかいません。
そんな彼らが書いてきたユーモアたっぷりの質問に、楽しく答えた時間でした。
次年度も継続予定。今から楽しみです!