【家庭訪問『話し方』フォーマット付】時間を守る3つの工夫

4月後半からゴールデンウィークにかけては家庭訪問のシーズンです。
毎年のように、移動の時間が短い上に、話が伸びてしまって、時間が守れないという先生方がいます。子どもたちに時間を守りなさい、と教えている先生ですから、なんとかしたいところです。

私の場合は、3つの工夫をすることによって、時間を守ることに成功していました。

1.子どもたちと一緒に移動する
住所や地図から次の家庭が近いこと自体は把握しています。それでも道に迷ってしまうことはあります。それを避けるために、給食の時間などに子どもたちにお願いをしておきます。
「今日から家庭訪問なんだけど、もし時間にゆとりがある場合は、次のお家まで案内してくれないかな?先生も自転車で回るし。みんなと一緒に歩いて行くから」
これは特に新任校で効果的でした。異動したてだと地理が全くわかりません。でも、子どもたちはご近所さんです。喜んで案内してくれる上に、もしわからない場合は子どもたち同士で調べてくれたりしていました。

2.保護者の会話では、先方から先に話していただく
家庭訪問のスタンダードな会話の順序は、下記のようなものではないでしょうか。
A.学校や学年から話してほしいと言われていること
→修学旅行や遠足のことや、学校のルール等
B.学校での子どもの様子
→授業、休み時間での遊び方等
C.お家の方から質問がないか
→ここが長くなりがちです。

先生側で時間がコントロールできないのは「C.お家の方から質問がないか」です。そこで私は、Aは学級通信で伝えておく。最初にC、次にBと順番を入れ替えていました。これはかなり効果的でした。

3.どうしても伸びる場合は「最後にもう一度」のお願い
そんな工夫をしていても、どうしても伸びてしまう場合があります。その時には、その日の家庭訪問の1番最後にもう一度来てもよいかと保護者にお伺いをしていました。「もう一度来てください」と言われることは一度もなかったですが…
話し足りない部分は、改めて電話や別日での訪問という話にして、家庭訪問自体は終えていました。

私の家庭訪問でのフォーマットは、およそ次のようなものです。あとは時と場合によって変えていました。

【あいさつ】
今年度◯年◯組の担任になりました◯◯です。よろしくお願いします。

【ご家庭から聞きたいこと】
早速ですけれども、時間が10分ほどしかありませんので内容に入っていきます。
まずはご家庭での様子や私どもへの質問などを伺い、次に学校の様子をお伝えできればと思います。
学校のことで気に掛かっていたり、確認しておきたいこと、お伝えしておきたいことはありませんか?

多くの保護者は、話す内容を用意していないケースが一般的です。私も保護者の立場だったら同じです。「えー、何かありますかねぇ?」のようになる場合が多いです。そこで一度先へ進めます。

また、何かありましたらおっしゃってくださいね。時間内にはなってしまいますが、ご回答させていただきます。

【学校側から伝えたいこと】1:本人の話
では、◯◯さんの学校の様子ですが「元気」です。
※まずは一言でお伝えします。「元気」の他にも、笑顔、朗らか、優しい、ニコニコ、楽しそう等、前向きな言葉で伝えます。

※次にエピソードです。その一言に当てはまるエピソードをお伝えします。
休み時間には、チャイムが鳴り終わった瞬間に、教室から飛び出していくように運動場に出て遊んでいます。ドッジボールなどで、相当本気でしているようで、汗だくで教室に戻っています。その時に、よく遊んでいるグループは、AさんやBさんです。
※こうした話をすると、多くの場合は家での遊びや習い事について保護者も話をしてくれます。

【学校側から伝えたいこと】2:揉め事への対応
一年間、クラスでお預かりする中で、いいこともそうではないこともあります。揉めたり、ケンカしたり…その瞬間は誰もが困りますが、成長には必須になります。大人になっても必ずついて回るのが人間関係のトラブルですから。その解決を私たちやお家の方がサポートできるうちに様々な経験をしてもらいたいと思っています。もちろん、そうしたことは長期間苦しまず、できるだけサッと解決できるように努力していきますので、ぜひご協力をお願いします。

【学校側から伝えたいこと】3:お子さんを1/30でしか見られない
本日の最後になりますが、私も一生懸命クラスに当たっていきます。でも、学校です。教室には30数名の子どもたちがいます。どんなにがんばってもお子さんを1/30の時間しか見られません。誰か1人を見てしまっている担任はイビツですから。
私よりも早くお家の方が子どもの異変を見つけることだってあると思います。その「ちょっとの違和感」を感じましたら、何かが違う程度でも構いませんので連絡をくださればと思います。
一年間、しっかりと対応して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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