クラスの半分がスマホ持ち!?データで見る子どもの携帯事情

「スマホ、もう持たせるべき?」
担任をしていて、保護者と話したり、懇談会があったりすると、よく出る話題の一つです。
こうした悩みは、保護者の立場でも同じです。

進級やクラス替えの落ち着く5月末から6月は、保護者の悩みが高まる時期です。
「友達が持っているから」
「連絡手段として必要かも」
「でも、トラブルは心配」
誰もが『ちょうどいいタイミング』を探しています。

【スマホを持ち始める平均年齢】
NTTドコモの調査によれば、日本の子どもがスマホを持ち始める平均年齢は10.6歳。
総務省の統計でも、小学生の所持率は約50%、中学生で約80%、高校生では97%に達しています。

令和5年通信利用動向調査の結果(総務省)

周囲とのバランスや安全面を考え、「いつかは必要」と感じる保護者が多いのも納得の数字です。

【保護者がスマホを持たせる理由】
NTTドコモ モバイル社会研究所の調査(2023年)によると、小中学生にスマートフォンやキッズケータイを持たせる理由としては、

・「緊急時の連絡」:50%
・「子どもの居場所の把握」:31%
・「子どもの友達同士のコミュニケーション」:28%

などが上位に挙がっています。

小中学生にスマホを持たせる理由、「緊急時の連絡」が最多 – NTTドコモ調査

「使い始める時期」だけでなく、「どう使うか」という土台づくりの重要性が、ここから見えてきます。

【世界と比べる日本】
日本:平均10.6歳。フィルタリング導入率66.2%
韓国:平均約8歳。IT教育とセットで導入が進む
アメリカ:約11歳。家庭ごとに判断
フィンランド:約10歳。学校での活用やリテラシー教育が徹底

国によって対応の姿勢は様々ですが、「技術と教育のバランス」が共通の課題です。

【学校で見えてくる子どもたちの姿】
よく伺う話では、LINEグループに入っていないことで話が通じず疎外感を抱く児童生徒がいます。
また、夜遅くまで返信を求められるプレッシャーで、眠れなくなるといったケースも。

スマホは「つながる楽しさ」だけでなく「つながらなきゃいけないつらさ」をも生むことがあります。
だからこそ、家庭と学校が連携し、「使い方のルール」や「困った時の逃げ道」を共有しておくことが欠かせません。

【使い始める前に話し合いたい5つのこと】
1.夜は何時まで使うか
2.食事・入浴中はどうするか
3.アプリは誰が決めるか
4.困った時は誰に相談するか
5.SNSでの関わり方、書き込みのマナー

子どもたちが「一人で抱え込まなくていい」と思える仕組みが必要です。

【学校でできること】
・保護者会での共有
・学級通信や掲示物での啓発
・情報モラルの授業とセットでの導入提案

「学校でも話し合っている」と伝えるだけで、保護者の不安はぐっと和らぐことがあります。

どこまで学校が関わるか、家庭教育との線引きが難しいと感じることもあります。
でも、「子どもたちが安心して使えるように」という軸で考えたとき、できるサポートは意外とたくさんあります。

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