「待つ」から叱らなきゃいけなくなる?

学校で見られる様々な場面で、叱ることと褒めることを選択できます。
でも、頭ではわかっていても、それを上手に使い分けするのは難しいです。
わかりやすいのは「待つ」場面です。
例えば、給食当番。
4時間目が終わって、白衣に着替え、給食室に食器などを取りに行く。
5分で集合と決まっていても、手を洗ったり、着替えたり、おしゃべりをしたり…なかなか全員が揃いません。
こんな時には2つの選択肢があります。
1つは「待つ」選択肢です。
A君、早くしなさい!もう全員が揃ってるよ。
待たせてはいけません。
いつもそうだね!
このように叱ることになってしまいます。
もう1つは「待たない」選択肢です。
時間になったら、集合できた数名と給食室に向かう。
先程のA君は「先生、待って!」のように言いますが、笑顔で「待ちません」と伝えて、ゆっくりと歩き始める。
当然A君は急ぎます。
時間に間に合っていた他の子たちとニコニコで給食室に向かいます。
「ちゃんと時間守ってえらいね」などとおしゃべりをしながら。
どちらの指導が良いかは分かれるところですが、両方を使えた方がよいのは間違いありません。
指導としては、約束を守ったり、時間を守ったりしたら、よいことがある。
その逆であれば損をする。
これが基本にはなります。
遅れても待ってもらえる。
これは時間通りにがんばった子は損をします。
時間通りに行ったら褒められる。
これは得をします。
どういう方向性で先生が指導しているのかというのを、子どもたちはよく見ています。
それに…
先生もいつもプンプン怒っていたらしんどくなってしまいます。
どうしたらにこやかに対応しながらも、きちんと指導していくのかと言うことを考えながらできると、生徒指導も少し楽になりそうです。