梅雨って外国にもあるの?世界と日本の雨事情

「梅雨」
世界を見渡してみると、不思議な存在のようです。

日本の梅雨がどうして起こるのか。
世界ではどんな雨季があるのか。
最近の気象の変化や記録的な雨量の話などをお届けします。

教室では「梅雨だねぇ」のような話だけで終わってしまうことも多いですが、知っているとちょっと話ができることもあります。
教室にいる時間が長くなりがちなこの季節。
よかったら子どもたちにも伝えてあげてください。

【日本の梅雨ってどうしてあるの?】
まず、日本の梅雨がどうして発生するのかです。

梅雨は、春から夏にかけての季節の変わり目に、日本列島の南から北へと進む「梅雨前線(ばいうぜんせん)」によってもたらされます。
この前線は、暖かく湿った空気(太平洋高気圧)と、冷たく乾いた空気(オホーツク海高気圧)がぶつかることで生まれる停滞前線。
日本はこの2つの空気のぶつかり合いが起きやすい場所にあるため、毎年のように梅雨が発生するのです。

【世界にも梅雨はある?】
ところで、「梅雨」は日本だけなのでしょうか?
そう思って、先生GPTに聞いてみました。

アジアの一部地域――中国、韓国、台湾、そしてインドなどでも、似たような雨季があります。
特にインドの「モンスーン(季節風)」は、6月頃から激しい雨をもたらし、農業にとっても非常に重要です。
けれど、「梅雨(つゆ)」という表現や、特定の前線が長く停滞して雨が続くという現象は、日本特有のものといってよいでしょう。
つまり、世界に似た季節はあるものの、日本の「梅雨」は、私たちの暮らしに深く根ざした独自の季節です。

なるほど。
アジアを昔回ったことがありますが、確かに「一気に降って、そのあとは快晴」のような雨の降り方が多かったイメージがあります。

【梅雨は毎年来るの?異常気象との関係】
ここ数年、「今年は梅雨入りが早い」「まだ梅雨入りしていない」といった声を聞くことが増えてきました。
実際、気象庁のデータを見ても、梅雨入り・梅雨明けの時期が大きくずれることがあります。

たとえば2022年の関東甲信地方では、6月6日に梅雨入りしてから、わずか21日間で6月27日に「梅雨明け」と発表されました。
これは統計史上、最も短い梅雨期間でした。
また、2020年は逆に梅雨明けが遅く、8月にずれ込んだ地域もあります。

このような不安定さの背景には、地球温暖化の影響や、偏西風の蛇行、海水温の上昇など、さまざまな要因があると考えられています。
毎年「来るはずの梅雨」がいつ、どんな形で現れるかが予測しづらくなっているのです。

夏頃によく聞くようになった「ゲリラ豪雨」も以前はきかなかったですしね…

【どのくらい降ったら「大雨」?】
「よく降ったなあ」と感じる雨の日、実際にどのくらいの量が降ったら「大雨」とされるのでしょうか?
気象庁では、1時間に降る雨の量によって、その強さをいくつかの区分に分けています。

・10~20ミリ程度:ザーザーと降る雨で、屋外での会話が少し聞き取りづらくなります。洗濯物がすぐにびしょ濡れになるレベル。
・20~30ミリ程度:車のワイパーを速くしても見づらくなるほどの強さ。地面に水たまりが広がります。
・30~50ミリ程度:バケツをひっくり返したような激しい雨。道路が冠水したり、小さな川が急に増水したりするおそれがあります。
・50ミリ以上:非常に激しい雨で、滝のように降り続けます。避難情報が出るレベルのこともあります。

つまり、ニュースなどで「1時間に30ミリの雨」と聞いたら、それはもうかなりの雨。特に地盤が緩んでいたり、排水が追いつかない地域では、短時間でも被害が起きる可能性があります。

【“雨の季節”に気づいておきたいこと】
ジメジメとした梅雨は、時に嫌われがちな季節です。
でも、考えてみれば梅雨があるからこそ、豊かな水資源が生まれ、お米を育てる田んぼも潤い、私たちの生活が成り立っているのです。

そして、昔から日本人は、この“湿気のある季節”を上手に楽しむ工夫をしてきました。和傘や雨音を楽しむ文化、アジサイやカエルといった“雨の風物詩”もその一つですね。

今の時代は気候変動もあり、昔とは違う梅雨がやってくるかもしれません。
だからこそ、データを通して「雨の現象」を知り、自然との上手な付き合い方を考えることも、大切な学びのひとつになるはずです。

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