「〇〇の仕事に就きたい」は叶えられない!?

就労支援をしていて、1番感じることが「〇〇の仕事に就きたいは難しい」ということです。

花が好きだから花屋に。
電車が好きだから電車に。
花屋の経理で花を全く触らなくてもいいか、と聞くと「それは困る」と。
電車関連の会社で清掃の仕事でもいいか、と聞くとこれも同じ。

もっと大枠もあります。

ホワイトカラーの仕事につきたい。
そこで伺っていきます。
ホワイトカラーの仕事ってどんなのですか?
「いわゆる事務仕事です。パソコンが得意で、動くのが苦手なので…」
本当に動かなくてもよいホワイトカラーは、世の中のほんの一部です。上場企業の中で、誰が聞いても名前を知っているような会社しかないのではないでしょうか。
中小企業にお勤めの方だったり、公務員をされている方だったりしても、求められるのは何でもできるジェネラリスト。
パソコンも叩くし、スケジュール調整もするし、ものも運ぶし、掃除もする。
そんな話をしていくと「それは無理です」と。

こうした話をしていると、あれもこれも無理なら、どんな仕事についたらいいんですか?と逆質問になります。

いつも「まずは働いてみてください。その会社で必要だと思われてください。そうすればその会社で続けて行っても、でも他の会社に行ってもうまくいきます」のように伝えます。

自分で仕事を選んでしている方って世の中にほとんどいません。
人から求められて動くのが仕事です。

こうしたご相談をしてくる多くの方が保護者です。
「お父さん、お母さんもそうでしょう?」と伺うと、確かにそうですと。

自分の子どもになると、そういったところに目を向けることが難しくなります。
希望を叶えてやりたい。
放デイに通う子の場合は、そこに「親のそばに置いておきたい」という気持ちも見え隠れします。
それが悪いこととは思いません。ただ、それが大きく作用してしまうと『働く』になったとき、デメリットとして表出されてしまいます。

就労がうまくいったすべてのケースが、こうした葛藤を乗り越えたものです。
人から求められたら「まずやってみる」。
強くオススメします。

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