100点満点のコミュニケーションの取り方
「なかなか子どもたちとのコミュニケーションが難しいです。より良くするためにはどうしたらいいですか?」
という質問を先生からいただきました。
こうした質問は珍しくなく、時々お預かりします。
まずは聞きました。
「より良くってどのくらいですか?」
あやふやなので答えにくいです。
そこで次のように続けました。
「点数にするとどれぐらいですか?」
「100点満点だったら理想的ですが…」
コミュニケーションは人と人との対話などから生まれます。それが100点満点。もちろん理想的ではありますが、難しいのは感覚的にわかります。この質問をした先生もそれはわかっているので、語尾に自信がなさそうでした。
「難しいですよね。とても先生のことを慕ってくれているお子さんでも100点を取り続けるのは難しいです。信頼関係を作れていないケースもあります。そうなると、さらに点数は下がります。
この話をすると、コミュニケーションを点数化するのはナンセンスだという話もあります。ただ、例としてはわかりやすいので、このまま続けますね。
私の場合は、コミニケーションは平均60点を取れれば充分合格だと思います。秀優良可みたいな成績ですと『可』のレベルです。自分の意思がある程度通じ、向こうのそれもある程度わかり、笑顔とはいかなくても嫌な気持ちでは終わらない。昨日はめちゃくちゃ良かったけれども、今日はとっても悪かった…それでも平均するとギリギリで60点。
大人同士でも一緒です。先生間でもうまくいかないことはあります。私がしている福祉の仕事でも、うまくいく時はうまくいきますし、そうではない時だって当然あります。
ニコニコ笑顔で過ごせる時もあれば、お腹がキリキリと痛むような日もあります。
コミュニケーションってそんなもんと考えられるようになるだけでもかなり楽だと思います。
100点満点の完璧を求め続けると潰れてしまいます。精一杯がんばるという努力は当然必要です。その上で、そこそこで充分、と考えてみてはいかがでしょうか?」
こんな話をすると、その先生は、
「そういえば先生になろうと思ったキッカケの『憧れの先生』は助けてくれましたし、厳しかったこともありました。イヤだったこともあります。もう少し楽に考えようと思います」
と話してくださいました。
季節の変わり目になると、こうした質問が自然と増えます。毎日を無理なく過ごしていきましょう。
