時間割変更に強くなる3つの対応

急な時間割変更ってあります。
先生にとっては「仕方ない調整」でも、子どもにとっては、その一日が崩れるきっかけになることがあります。

例えば、朝。
「今日は体育が先です」
「いや、やっぱり算数から」
そんな小さな変更です。
そういった児童生徒は騒ぐことは少ないです。
ただ、動きが止まる。
声をかけても返事が遅い。
ノートを出す手が止まる。
周りから見ると「やる気がない」に見えやすくなります。

これは気持ちの問題というより、「見通し」が消えた状態に近いです。
頭の中で組み立てていた順番が崩れると、次に何をすればいいかがわからなくなる。
その迷いが、教室のテンポに置いていかれて、さらに焦ることに繋がる。
結果として、固まる、遅れる、怒られる、という流れになりやすい。

発達特性のある子に限らず、誰でも予定が急に変わると疲れます。
ただ、特性がある子はその負荷が大きく出やすいです。
「慣れたら大丈夫」ではなく、変化のたびにエネルギーを使います。

ここで大事なのは、変更をなくすことではなく、変更の伝え方を整えることだと思っています。
具体的には、次の3つだけで、かなり変わります。

まず、変更を言葉だけで終わらせない。
黒板の端に、今日の流れを一行で書く。
「1時間目 算数 → 2時間目 国語 → 3時間目 体育」
これだけで、子どもは「目で確認」できます。
耳で聞くだけだと抜ける子でも、目で見ると戻ってこられることがあります。

次に「次は何をするか」を一つだけ言う。
「ノートを出しましょう」
「席に座りましょう」
未来の話を長く説明すると、負荷が増えます。
最初の一手だけ示す。
それで動き出す子は多いです。

もう一つは、切り替えの前にワンクッションを作る。
深呼吸でも、水を飲むでも、1分だけ静かにするでもいい。
急に走り出すより、「切り替えの時間」がある方が、教室全体が落ち着きます。
これは特性のある子だけではなく、クラス全体に効きます。

こういう話をすると、
「突然の変更は世の中で当たり前なんだから、慣れるのも大事」
とおっしゃられる先生もいます。

それ自体は間違いではありません。
たまに起きる変更なら、経験として意味があります。
「予定が変わっても大丈夫だった」という成功体験にもなります。

ただ、問題は頻度です。
変更がめったにないなら、その都度の工夫で乗り越えられる。
でも、毎回のように予定が変わる状態だと、話は別です。

慣れる以前に、毎回エネルギーを使い続けることになる。
それが積み重なると、本人の集中や切り替えが崩れやすくなるだけでなく、周りの大人の対応も荒れやすくなります。

だからこそ「変化に慣れる」より前に、
「見通しが立つ形で変化を渡す」
ここを整えることが、現実的な土台になると思っています。

家庭でも似たことが起きます。
「今日は予定が変わった」
「迎えの時間が違う」
その一言だけで混乱する子がいる。
そんなときは、家でも同じで、短く、目で見える形にするのが効果的です。
紙に一行書いて貼る。
スマホのメモを見せる。
「次はこれ」と一つだけ言う。
やることは大きく変わりません。

急な時間割変更は、なくせません。
でも、そこで崩れる子がいるなら、それは本人の努力不足ではなく、情報の渡し方の問題であることも多い。
見通しを一つ戻すだけで、また動ける。
その場面を何度も見てきました。

予定が変わる日は、誰にとっても疲れる日です。
だからこそ、変更を「説明」するのではなく、「見通し」にして渡す。
それだけで、教室も家庭も、少し回りやすくなると思います。

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