家の役割、学校の役割、放デイの役割

「家ではなかなかできなくて」
こういう相談は、よくあります。

時間。
片づけ。
約束。

分かっているけれど、家ではうまくいかない。
言い合いになる。
結局、親がやってしまう。

それでいいと私は思っています。

家庭は、甘さがあっていい場所です。
全部をきっちり通そうとすると、親の方が先に疲れます。
怒ってしまうこともあります。
毎日の生活の中で、常に緊張しているわけにはいきません。

だからこそ、外で練習する。
ただし学校では難しいです。
学校は仕組み自体が「全員同じように動くとうまく回る設計」になっています。
はみ出した時点でイレギュラーになります。
甘さを出せない場所です。
枠組みにはまる練習をすることが主目的になります。

エデュワークは、ほぼ個別対応です。
全員同じことを同じペースでやるわけではありません。
その子の状態を見ながら、今どこまで通せるかを決めます。

例えば、時間。
家では「早くしなさい」と言ってしまう。
でも放デイでは、時間になったら始まります。
来ていなければ、来たところから入る。
ただし、流れは止めません。
次回はどうしたら間に合うかを一緒に整理します。

片づけ。
家では、親がつい手を出してしまう。
でも放デイでは「ここまでやったら終わり」という線をはっきりさせます。
全部完璧でなくていい。
でも、自分が使ったものは自分で戻す。
そこは通します。

途中で気持ちが崩れたとき。
家庭では、その日のコンディションもあります。
無理をさせない判断も大切です。
でも放デイでは、
「今日はどこまでなら戻れるか」
を一緒に探します。
全部やらせるのではなく、戻れるところまで戻す。
それを繰り返します。

自立や就労に必要なのは、能力よりも「通せた経験」です。
決まりを守れた。
最後までできた。
途中で崩れても戻れた。
この積み重ねが、外での安定につながります。

家庭が甘いのは悪いことではありません。
甘さがあるから、家は安心できます。
その代わり、外で少し練習する。

全部を家庭で抱えなくていい。
全部を放デイに任せるでもない。
そのバランスが大切です。

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