オムロン京都太陽見学

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1 オムロン太陽の家とエデュワーク

2023年12月25日、利用者と保護者、そして数名のスタッフで、オムロン京都太陽の見学イベントを実施しました。

「働いて、生きていく」をコンセプトとした就労支援特化型の放課後等デイサービスとして、京都の障がい者就労におけるリーディングカンパニーの1つであるオムロン太陽の家の見学は、念願のものでした。弊社の考え方にご賛同くださったオムロン太陽の家関連の皆様をはじめ、様々な方の協力により実現しました。

2 募集開始後、すぐ定員いっぱいに

見学ですから、もちろん定員があります。あらかじめその定員数を伺い、エデュワークに通う皆さんが閲覧できるLINEグループへと発信しました。
満員までは数日かかるかなとスタッフと話をしていたのですが、募集開始をした当日の午前中に満員になりました。わずか数時間です。

応募して来られたのは、放課後等デイサービスを利用する子どもたちとその保護者の皆様限定なのにです。
学年は小学生から高校生まで、校種も公立校から特別支援学校まで…
これまでも様々なイベントを開催してきましたが、このようなことは初めてです。スタッフ一同びっくりしました。

先着順とはお伝えしていたのですが、さすがに当日午前で締切となるのも申し訳なく、LINEで現状を伝えた上で2日間だけの受付にしました。
それでも当初定員としていた人数の2倍の申込みを預かりました。

上記のような状況を、オムロン太陽の家に伝えます。先方も驚いておられましたが、見学日程を2日間に分けることで受けていただけることになりました。
この状況1つをとっても、発達に課題があったり、障がいがあったりする子どもたちの就労が、いかに難しいものであるかを物語っているように感じました。

 

3 働くために必要な工夫

当日の見学は3チームに分かれて進めました。チームそれぞれにオムロン太陽の家スタッフがついてくださいます。

1番若い参加者は、未就学の子です。利用者の小学生の妹さん。そういった子も飽きないように、スタッフの方が様々な説明をしてくださいます。もちろん、言葉だけでは飽きてしまいます。そこで治具(じぐ)という製品を作るための土台となる道具を触らせてくれたり、実際に作られる過程の部品を見せてくれたりします。
そんなことをしながら、施設内の様々な箇所を見学します。

利用者の皆さんが驚いておられたのは、障がいのある方が働くための様々な工夫でした。
腕を動かすことができなければ、腕の代わりになる器具を使う。体幹に力が入らなければ、体幹を使わなくてよい物品配置にする。知的に障がいがあれば、複雑な工程でも見た目でわかるように、次行うべき行動をランプの点灯で示す。

もちろん働いておられる障がいのある方たちの努力もありますが、それだけではありませんでした。こうした一つ一つの配慮が「働く」につながっていることを見学で学ばせていただきました。

4 質問が止まらないQ&A

見学の最後にはQ&Aコーナーがありました。大人はもちろん、子どもたちからも質問が次々と寄せられました。

「働く時間は何時から何時までですか」
「お給料はいくらですか」
「休み時間には何をしていますか」

こうした工場のような場所を見学する機会はそう多くはありません。だからこそ、こうした質問も自然に出てきました。
オムロン太陽の家のスタッフさんは一つ一つを丁寧に答えてくださいました。大人からはもう少し踏み込んだ質問が出ました。

「どのような事業形態があるのか?」
「ステップアップをしていくことは可能か?」
「他社からこちらに来られる方はいらっしゃるか?」

それらの質問にも回答いただき、満足度の高いQ&Aコーナーになりました。

5 見学会、その先へ

充実した見学会になりました。
「働いて、生きていく」ために必要なことを体感することができました。
それは、見学でも話に上がったのですが、大きく3つのことです。

①約束を守ること
時間を守る、行くと言ったら行く。こうしたことは、社会に出たら、基本的な考え方です。「今日はしんどいから休む」というしんどさがどれだけのことか。
これは障がいがある方だけの話ではありません。いわゆる健常と呼ばれる方だって行きたくない時はあります、しんどい時もあります。
それでも行くのが仕事です。
障がい者だから行かなくていい、というわけではありません。
その配慮は、基本的には障がいのあるなしに関わらず同一です。

②同じことを繰り返す
仕事は、どのような業種、業態においても、基本的には「同じことを繰り返す」ことです。製造業ではものを作りますし、農作業では畑作業をします、先生であれば教えますし、ケーキ屋さんであればケーキを作ります。
時々は違うこともしますが、ほとんどの場合同じことを繰り返しします。
そうしたことを工場見学を通して学びました。

③挨拶をする
「おはようございます」「いただきます」「ありがとうございます」
こうした挨拶は不可欠だという話がありました。
そんな中、「挨拶ができなければ仕事はできませんか」という質問がありました。特性上、声が出せない利用者の保護者さんからです。
オムロン太陽の家からの回答は次のようなものでした。
「その方にとってできることをしていただきます。挨拶が必ずしも必須なのではなく、できることをしていただければ大丈夫です。ですから、仕事ができます。」
こうした一つ一つにも、仕事に対する考え方が込められているように感じました。

6 No Charity,but a Chance

上記の言葉が太陽の家の理念として掲げられています。サブタイトルとして「人間としての尊厳が保たれる社会の実現」という言葉が添えられています。
そして、その基本方針が4つ示されています。

・障がい者に働く機会を提供します
・自立生活ができるよう支援します
・地域と国際社会に貢献します
・社会のルールを遵守します

私たち放課後等デイサービス、エデュワークも「働いて、生きていく」という観点で全く同じだと感じました。

放課後等デイサービス エデュワーク
越智敏洋

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