詐欺電話は騙されないと思っていても騙される

「いや、それ、詐欺やで」
と何回言っても信じてもらえませんでした。

そもそも私に相談してくれたのも、免許証等の個人情報を送付する直前でした。警察を名乗る人から「秘密保持契約書」というものを送られていたからです。誰にも言うことができず、この10日間ほど「もしかしたら怪しいかも」と悩んでおられました。

ことの始まりは1本の電話だったそうです。
警察を名乗る人から「あなたのメールアドレスから、誹謗中傷のメールが、特定の人物に送られているため凍結します。現在、容疑者として、あなたの名前が挙がっているので必要以上に外出をしないでください」という内容。

他人から聞くと、怪しさが満載なのですが、容疑者と言われてパニックになったとのことでした。

それからどのような仕事をしているのか、家族構成はどうなのか、いくら貯金があるのかなどを巧みに聞き出されていました。

というのも、その偽警察から、毎日3回(午前10時、午後3時、午後8時)に連絡をするように言われていたからです。連絡ツールはLINEとのことでした。

LINEは、通話だけではなく、ビデオ通話でも行われていました。警察を名乗る人から警察手帳を見せられ、検事なる方まで参加されていたため信じてしまっていたとのことでした。

私への相談。初めは別の方面からの話でした。
「自分のアカウントが悪い人から使われているので、警察に協力している」という表現でした。

聞いていて詐欺だなと感じたので、すぐに警察に電話したほうが良い、と伝えたのですが「先方のことを疑うようで悪い」とすぐに連絡せず、個人情報を送ってほしいといわれて、ようやく電話をしたくらいでした。

当然…警察に電話をしたら「そのような人物はいません。電話をしてもいけませんし、LINEでしたらブロックができますのですぐにしてください。現状では明確な被害がないので動くことはできませんが、何かありましたらすぐに連絡をしてください」と助言を受けたそうです。

その報告を受けて、なお、その方がおっしゃっていたのは「警察にもうこれ以上電話をするなと言われた」と報告したほうが良いかな、という話でした。報告しちゃだめです、とお伝えし、その場でブロックしてもらいました。

ホントの警察からもう一つ言われたことがあったそうです。「身近な人にこの件を伝えてください。抑止力になりますから」とのことでした。

決して、情報リテラシーが低い人ではありません。でも、とても優しい人です。その優しさにつけ込んで、このような情報やお金を抜き出そうとする詐欺がある。憤りを感じました。

と同時に、他人事ではないなと改めて思いました。

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