子どもと関わる中で、「褒めること」と「叱ること」のバランスに悩む方は多いのではないでしょうか。どちらも子どもの成長には欠かせませんが、大切なのは「何のために伝えるのか」という目的です。
例えば、調理活動で小麦粉をこぼしてしまった時。「もう失敗したからやりたくない」と手が止まってしまう子もいます。そんな時は、「全然大丈夫!一緒に片付けて、続きを頑張ってみよう!」と指導員から声をかけることで、失敗してもやり直せる経験につながります。
褒めることは、子どもの自信や意欲を育てます。「最後まで頑張ったね」「自分で考えて行動できたね」と、努力や過程を認める言葉は、子どもの自己肯定感を育てる力になります。例えば、苦手な工作に最後まで取り組めた時や、友達に「貸して」と自分から伝えられた時など、小さな成長を言葉にして伝えることが、次の挑戦への意欲につながります。
一方、叱ることは決して悪いことではありません。危険な行動や相手を傷つける言動に対しては、しっかりと伝える必要があります。ただし、感情的に怒ることと、子どもの行動を正すために叱ることは別です。例えば、お友達を突き飛ばしてしまった時には、「そんなことしたらダメでしょ!」ではなく、「突き飛ばされると相手は痛いし、悲しい気持ちになるよ」と、行動に焦点を当てて伝えること、またそうなってしまった原因を探ることが大切です。
「やる気が出ない」と活動に取り組めない時も、すぐに叱るのではなく、「何か気になることがあるのかな」「少しだけ一緒にやってみようか」と背景に目を向けることで、子どもが一歩踏み出せることもあります。
褒めることも叱ることも、子どもへの大切なメッセージです。その根底に「あなたのことを大切に思っている」という気持ちがあれば、子どもは安心して受け止めることができます。逆に、その気持ちが伝わらないと、褒め言葉も叱る言葉も心には届きにくくなってしまいます。
大切なのは、「褒めるか叱るか」という二択ではなく、「この子の成長につながる言葉は何だろう」と考えることです。その場の結果だけを見るのではなく、子どもの気持ちや背景にも目を向けながら関わることで、信頼関係は少しずつ育まれていきます。
子どもは、大人の言葉だけでなく、その表情や態度からも愛情を感じ取っています。だからこそ、褒めるときも叱るときも、子どもの未来を見据えながら、しっかりと向き合うことが大切です。その積み重ねが、子どもの「自分は大切にされている」という安心感につながり、自信を持って成長していく力になるのではないでしょうか。
文章:宇治指導員Y

