個人懇談で時間を守る3つの工夫

もうすぐ夏休み。
その前にあるのが、個人懇談です。時間を守らなければいけない、とはわかっていても、なかなかそれができずに苦労する先生は少なくありません。
そこで今回は時間を守るための3つの工夫をご紹介します。

1.まずは先方にお話しいただくこと
「早速ではありますが、時間にも制限がありますので、まずはおうちの方から伝えておきたいことはありますか」
このようにお話をしておくと、多くの場合は、
「何も準備していなかったし」
「特にはありません」
と返されます。でも、それでオッケーです。時間を守るつもりで進めていることを感じていただけるだけでもかなり変わります。
「では私の方からお話をしますね。〇〇さんの1学期の頑張りは…」のように続けていけば、制限された時間の後半部分がかなり楽になります。

2.断定する
話法には様々あります。
学校でよく言われるのが「共感的理解」です。
効果が高い方法の1つではあるのですが、短い時間でそこまでしようとするとかなり難しい場合があります。
そこで断定をすると言うことを意識して進めていくと、うまくいきやすいです。
「学校ではそんなにきちんとやっているんですか家ではゴロゴロしたり、ゲームをしたりして、たくさん話をすることもなければ、宿題をするのも怒られながらやっているような状態です」
「それでいいんです(断定している)。大人だっておんなじです。外ではしっかりして家ではくつろぐそのバランスがしっかり取れているということです。学校でがんばった分、家では少しゆっくりするという感じで、これからも進めてください」
子育てがその方向性で間違えていない、というのは、その子が『笑顔で学校に来ていること』で充分に証明されています。そういうスタンスでお話ができると断定して話をするということが使いやすいです。

3.時間は短くても良い
皆さんのエリアでは、個人懇談の時間は何分でしょうか。私が働いていたところは10分が多かったです。
真面目な先生のケースですと「せっかくおうちから学校まで来てくれたので、10分ギリギリまで話そう」と思って来られる方が多いです。
保護者の立場からするとどうでしょうか?兄弟関係があれば他にも行かなければいけないクラスがあります。できれば早く終えて家で家事をしたい場合もあります。
もちろん、話をギリギリまでしたいと言うご家庭がゼロではないとは思いますが、先ほどあげたような考え方を持っているご家庭だってあるのです。そういうご家庭は、ニュアンスでわかります。
「〇〇さんについてですが、よく遊び、よく学び、友達に囲まれながら学校生活を送っています。私からは特段の心配がなく、今日の懇談を迎えていますが、おうちの方からは何かありますか?」
「えー、特にないですよー」
「じゃあ、終わりにしましょうか?弟の方にも行かなければいけないですよね?」
「いいんですか???」
「もちろんいいです。また何かあったときには遠慮なく電話や連絡帳なので伝えてくださいね」
2分程度で終わります。
これは懇談でしょうか?
相手がそれを望んでいて、こちらも伝えるべき事は伝えたのであれば、それで充分だとも考えられます。
私はよく使っていました。

順番を入れ替えたり、短くしたり、断定をしたり、先に行っていただいたり…工夫としては様々あります。
こうしたことを行うときの大原則として考えておかなければいけないのが、
・時間を守る
・相手の満足度を高める
この2点かと思います。
それをずらさずに進めながら、よい個人懇談会にしていきましょう。

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