先日、奈良県吉野郡の山奥のとあるお店へ行ってきました。数年前にSNSで見かけて以来、ずっと気になっていた場所です。
「亀仙人が鮎の塩焼きを焼いてくれるお店」
奈良市内から車で約1時間半。途中からは「本当にこの先にお店があるのだろうか」と思うような山道が続きます。
しかし到着すると、お店の前には長い行列。山奥とは思えないほど多くのお客さんで賑わっていました。
その中心にいたのが亀仙人と呼ばれている店主。一目でわかりました。亀と書かれたエプロンにオレンジのTシャツ、そしてスキンヘッド。しっかり亀仙人でした。
炭火の前に立ち、鮎を一本一本丁寧に焼き上げながら、お客さんには気さくに声をかける店主。初めて訪れた私にも「遠くからよう来てくれたな」と笑顔で話しかけてくれました。その自然な距離感がなんとも心地よく、初対面なのにどこか昔から知っている人のような親しみを感じます。
待っている間にも、サービスの小鉢や焼き芋が振る舞われます。利益を考えれば決して効率の良いやり方ではないはずですが、「せっかく来てくれたんやから喜んで帰ってほしい」という気持ちが伝わってきます。
周りを見渡すと常連客もたくさんいて、店主との会話を楽しんでいました。「今年も来たで」「また来るわ」という声があちこちから聞こえてきます。みんな鮎を食べに来ているのはもちろんですが、それ以上に店主に会いに来ているようにも見えました。
もちろん鮎は絶品です。炭火でじっくり焼かれた鮎は香ばしく、身はふっくら。山の澄んだ空気の中で食べる一匹は格別でした。
お客さん一人ひとりを大切にする店主の姿が特に印象に残りました。
決してアクセスの良い場所ではない。それでも多くの人が何度も足を運ぶのは、亀仙人の温かい人柄に惹かれているからなのでしょう。
亀清は鮎を食べるお店でありながら、人の温かさに触れられる場所。こんな山奥でもたくさんの人が集まる理由は、きっと亀仙人の人柄そのものなのだと思います。

