短期目標が人を動かす

先日、特例子会社を訪問する機会がありました。

そこで行われていた業務の一つが、折りたたみコンテナの洗浄です。

話を聞いて驚いたのは、「1日約7,000個洗わないと赤字になってしまう」ということでした。

7,000個という数字だけを見ると、途方もない数で、一見やる気をなくしてしまいそうです。

しかし、現場では働く皆さんがイキイキとした表情で仕事をされており、「よっしゃー、あと5台!」という声も聞こえてきました。

「あと5台?」と思い、現場の責任者の方に尋ねると、「1ターン25台」を目標に掲げて取り組んでいるとのことでした。

コンテナは台車に積まれて運ばれてくるため、7,000個は約100台分になります。さらに1日を4つの時間帯に分けると、2時間ごとに約25台を洗浄することが目標になります。

「2時間で25台」と聞くと、一気に現実味が増します。

この職場で働くのは知的障がいのある方々ですが、現場で工夫されていたのは、障がいの有無に関係なく、人が前向きに取り組めるような目標設定でした。

人は、大きすぎる目標を前にすると、何から始めればよいのか分からず、なかなか行動に移せないことがあります。

一方で、「まずはここまで」という短期目標が明確になると、一歩を踏み出しやすくなります。そして、その小さな達成が自信となり、次の行動へとつながっていきます。

これは仕事だけではありません。

勉強やダイエット、子育て、人材育成など、私たちの日常には「続けること」が求められる場面が数多くあります。そのようなとき、大きな目標だけを掲げていては、途中で気持ちが折れてしまうことも少なくありません。

大切なのは、最終目標を見据えながらも、「今日やること」「今この時間で達成すること」まで落とし込むことです。

大きな目標は進む方向を示してくれます。しかし、人を実際に動かすのは、目の前で達成できる小さな目標です。

今回の現場で学んだのは、「大きな目標を掲げること」以上に、「達成できる短期目標へ落とし込むこと」の大切さでした。

人はゴールの大きさで動くのではなく、目の前の一歩を積み重ねることで前へ進んでいく。そのことを改めて実感した一日でした。

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