放課後等デイサービスでは、子どもたちと毎日関わる中で「今日はこんなことがあった」と心に残る瞬間がたくさんあります。
その中でも、最近特に印象に残った出来事があります。ある利用者さんのお話です。
最初に出会った頃、その子はほとんど自分から話すことがありませんでした。
こちらから話しかけると返事はしてくれるものの、会話が続くことは少なく、表情にもあまり変化がありませんでした。
「ここはどんな場所なんだろう」
「この先生はどんな人なんだろう」
きっと、その子なりに周りをよく見て少しずつ確かめていたのだと思います。
わたしたちも「早く打ち解けてもらおう」と焦ることはしません。無理に会話を続けたり、たくさん質問をしたりするのではなく、その子のペースを大切にしながら関わることを心掛けています。
話さない日があってもいい。
笑わない日があってもいい。
小さな変化を見つけては、職員同士で共有し合い、喜んでいました。
そして先日、いつものように何気ない会話をしていた時のこと。わたしが冗談交じりに話しかけると、その子が間髪入れずにツッコミを返してくれました。わたしは思わず笑ってしまい、その子も一緒になって笑っていました。
ほんの数秒の出来事。
でも、その数秒がとても嬉しく、忘れられません。
ツッコミは、ただ面白い返しをすることではなく、相手の話を聞いてその場の空気を感じて、「この人なら大丈夫」と思えたからこそ生まれたやり取りだったように感じます。わたしには、その一言が「安心して過ごせる場所になってきた」というメッセージのように思えました。
子どもの成長というと「勉強ができるようになった」とか「苦手なことを克服した」とか、大きく目に見える変化を思い浮かべる方も多いかもしれません。もちろん、それらも素晴らしい成長です。
でも、子どもたちと関わっていると、それ以上に心を動かされるのは、日常の中にある小さな変化です。
自分から「先生」と呼んでくれた。
帰る時に「またね」と言ってくれた。
好きなことを話してくれた。
困った時に「助けて」と伝えてくれた。
そして、一緒に笑ってくれた。
どれも本当に小さな出来事です。
しかしその一つひとつには、その子が少しずつ安心を積み重ね、自分らしく過ごせるようになってきた証が詰まっています。
あの日返ってきた、一つのツッコミ。
誰かに話せば「そんなこと?」と思われるかもしれません。それでもわたしにとっては、その子が見せてくれた大きな一歩でした。
子どもたちの成長は、いつも目に見えやすい形で現れるわけではありません。
だからこそ、わたしたちは「できるようになったこと」だけではなく「安心して笑えたこと」や「自分らしく過ごせたこと」も大切な成長として、一緒に喜んでいきたいと思っています。
担当:エデュワーク千代川「指導員O
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