「やらされ作業」をワクワクに。小さな賞状が起こした変化

「先生、今日タイピングする時間ある…?」

調理活動が終わると、そんな風に自分から声をかけてくれるお子さんがいます。

少し難しい調理メニューに挑戦して疲れている日。
それでも「タイピングしよ〜!」と前向きにパソコンに向かう。
今でこそ当たり前になったこの光景ですが、実は最初からそうだったわけではありません。

このタイピング練習、ご家族からの「パソコンを使えるようになってほしい」という希望から始まったものでした。
そのため、始めたばかりの頃は本人の中に「やりたい!」という気持ちがあまり見られませんでした。

画面に向かっても気乗りせず、適当にキーを叩いてしまったり。
集中力が続かず、すぐに椅子から立ち上がってしまったり。
ついふざけてしまったり…。

保護者の想いにも応えたい。どうすれば本人が前向きに取り組めるだろう?

無理にやらせるのではなく、自発的に「やってみたい!」と思えるきっかけを作りたい。
そう考え、これまでは出せなかった毎回の記録とランクが印字された賞状を、テストのたびに手渡せるような仕組みを整えてみました。

どんな結果であっても、頑張った証として賞状はもらえます。
ただ、そこには今回の記録とランクがしっかりと印字されます。

「今日のランクはこれだよ!次はもっと上のランクを目指せるかな?」

そう伝えてみると、子どもの目が輝きました。

今まで適当に叩いていた指先が、ホームポジションに。
画面を凝視しながら、一生懸命に正しいキーを探し始めました。

「もっと良いスコアの賞状がほしい!」
目標ができたことで、確認テスト前の賞状のでない練習すらも、今ではルーティンに変わっていったのです。

確認テストが終わると、完成した表彰状をその子へ渡しに行きます。
ただ渡すだけではありません。

賞状の文章を、声に出して読み上げて授与します。

「〇〇様。あなたはタイピングにおいて以下の成績を収めたのでここに証します。…」

読み上げている最中、その子は少し背筋を伸ばし、照れくさそうな、でもどこか誇らしげな表情を浮かべていました。
両手でそっと賞状を受け取る姿が、とてもかわいらしいのです。

「やらされる練習」から「自分から目標に挑む挑戦」へ。

毎日の練習の積み重ねと、成果を認めてもらえる確認テスト。
小さな賞状一枚が、その子の中に大きなモチベーションを生み出してくれました。

今回はこのアイデアが見事にはまりました。
しかし、相手が変われば同じ方法が通用しないこともたくさんあります。
ぴったりな工夫を見つけ出すには、私自身まだまだ経験やアイデアの引き出しが足りないなと感じる日々です。

だからこそ、これからも試行錯誤を恐れず、一人ひとりの子どもに合わせた仕掛けを模索していきたいと思います。

エデュワーク職員の「S」でした♪

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